やる気はあるのに動けない。
頭では分かっているのに、なぜか体がついてこない。
そんなとき、あなたの中で何が起きているのかを考えたことはありますか?
多くの人はこの状態になると、「自分の意志が弱い」「集中力がない」と責めてしまいます。
けれど、実際の原因はそこではありません。
動けない理由は、あなたの中の心理的ブレーキが働いているからです。
心理的ブレーキとは、脳が「危険を避けよう」とする防衛反応です。
あなたを守るための仕組みでもあります。
つまり、行動できないのは、サボっているのでも意志が弱いのでもなく、脳が「安全を優先している」だけなのです。
この記事では、なぜ行動できないのか、その心理の正体を明らかにしながら、ブレーキを外して前に進むための具体的な方法をお伝えします。
なぜ「やる気があるのに動けない」のか?
行動できないのは意志の問題ではない
僕は多くのクライアントさんのサポートをしてきましたが、行動できない原因の多くは「意志」ではなく「脳の反応」にあります。
つまり、やる気が足りないのではなく、脳が「やめておけ」とストップをかけているのです。
たとえば、あなたが新しい挑戦をしようとしたとき、脳はその未知の状況を危険とみなします。
たとえそれが良い変化であっても、脳にとっては「予測できないこと」=「リスク」なのです。
だからこそ、脳は安全を守るために、「先延ばし」「不安」「疲労感」などを使って行動を止めようとします。
これはあなたの中で起きる、非常に自然な防衛反応です。
つまり、行動できないのは意志が弱いからではなく、脳が安全を優先しているサイン。
まずは、あなた自身を責めるのをやめることから始めましょう。
心理的ブレーキが働くときの脳の仕組み
心理的ブレーキが働くとき、あなたの脳では「扁桃体」という部分が活発になります。
扁桃体は恐怖や不安を感じ取るセンサーのようなもので、少しでも不確実なことを察知すると、あなたの体に「危険信号」を送ります。
その結果、心拍数が上がったり、思考が止まったり、なんとなく落ち着かなくなる。
これはすべて脳があなたを守ろうとしている証拠です。決して怠けているわけではありません。
一方で、行動によって達成感を得たり、小さな成功を感じたときには「ドーパミン」が分泌され、行動を促す回路が強化されていきます。
だからこそ、行動は「気合い」ではなく「脳の反応を慣らすこと」で進めるのが現実的なのです。
目標への行動を止めてしまう3つの心理的ブレーキ
心理的ブレーキ1.失敗への恐れ(Fear of Failure)
多くの人が最初に感じるブレーキが、この失敗への恐れです。
「前も失敗した」「また同じ結果になったら嫌だ」という気持ちが、行動の直前で足を止めてしまいます。
特に過去にうまくいかなかった経験がある人ほど、無意識のうちに「同じ痛みを味わいたくない」と感じていることが多いです。
この恐れが強いほど、「もう少し準備してから」「タイミングが良くなったら」と考え、行動を先送りしてしまうのです。
でも、失敗は本来、避けるものではなく、学びの材料です。
行動すれば必ず何かしらの結果が得られます。
その中に次につながるヒントがあるのです。
心理的ブレーキ2.完璧主義(Perfectionism)
「完璧にできるようになってから始めよう」という考えも、大きなブレーキのひとつです。
完璧を求めるほど、理想が高くなり、行動のハードルも上がっていきます。
真面目で責任感の強い人ほど、「中途半端な自分を見せたくない」「人に迷惑をかけたくない」という思いから、つい慎重になりすぎます。
しかし、その結果、動き出すタイミングを逃してしまうのです。
完璧にやることよりも大切なのは、「まずやってみること」。
一度動き出せば、修正はいくらでもできます。
行動を始める勇気こそが、完璧よりもはるかに価値があります。
心理的ブレーキ3.他人の目を気にする(Social Evaluation)
「周りにどう思われるか」「評価が下がるかもしれない」という不安も、心理的ブレーキを強くします。
特に今の時代はSNSなどで他人の成果が簡単に見えるため、比較による焦りや不安を感じやすくなっています。
本来、あなたが進む道はあなた自身のペースでよいはずなのに、「人と比べて遅れている」「あの人はできているのに」と感じた瞬間、心の中にブレーキがかかります。
大切なのは、他人の評価ではなく、あなた自身の基準を持つこと。
誰かに認められるために動くのではなく、自分の人生を前に進めるために行動してほしいと思います。
心理的ブレーキを外す3つのステップ
ステップ1.小さな行動で「慣れ」をつくる
心理的ブレーキは、一気に外すことはできません。
筋肉と同じように、少しずつ慣らしていく必要があります。
僕がいつも伝えているのは、まず「できそうな小さな一歩」から始めることです。
たとえば、「5分だけやる」「資料を開くだけ」「1行だけ書く」。
このように、ほんの小さな行動でも、脳は「危険ではない」と認識を変えていきます。
そして、その体験が積み重なると、行動の抵抗がどんどん減っていきます。
最初のうちは小さすぎるくらいで構いません。
続けるうちに、あなたの中に「できた」という感覚が少しずつ積み重なり、それが次の行動の原動力になります。
ステップ2.感情を否定せずに「観察」する
行動できないとき、多くの人は「怖い」「不安」「面倒くさい」といった感情を感じること自体を悪いものだと思ってしまいます。
けれど、その感情こそが、今あなたが「成長の境界線」に立っている証拠です。
感情を否定せず、「今、不安を感じているんだな」「ちょっと怖いと感じているな」と、自分の中でそのまま受け止めてみてください。
それだけで、心の緊張が少し緩みます。
紙に書き出したり、信頼できる人に話したりするのも効果的です。
感情を客観的に見つめることで、思考の整理が進み、行動へのエネルギーが戻ってきます。
ステップ3.信頼できる人に「宣言」して支援を受ける
行動を続けるうえで、最も効果的なのは人の力を借りることです。
人は一人だと、どんなにやる気があってもブレーキに負けてしまうことがあります。
信頼できる人に「これを続ける」「これに挑戦する」と宣言してみてください。
たったそれだけで、脳の中で「もう後には引けない」というスイッチが入ります。
人は「見られている」「応援されている」と感じるだけで行動が持続しやすくなるのです。
僕のクライアントさんの中にも、毎週の報告環境を設けることで行動が習慣化し、自信をつけていった人がたくさんいます。
誰かに支えてもらうことは、決して弱さではありません。
むしろ、強く動き続けるための最善の戦略です。
実践事例:行動できなかったEさんが変わった理由
以前サポートしたEさんは、「やりたいことはあるけれど、一歩を踏み出すのが怖い」と話していました。
頭の中では整理できていても、いざ行動しようとすると止まってしまう。
そんな自分を何度も責めていたのです。
僕たちは最初に、「今日できる小さな行動をひとつだけやる」というルールを決めました。
最初のうちは、「こんなに小さくて意味があるの?」と不安そうでしたが、数日経つと「やる前より気持ちが軽い」と話してくれました。
1週間、2週間と続けるうちに、Eさんの表情が変わっていきました。
最初は怖かった行動も、徐々に自然にできるようになり、数週間後には「動くことが怖くなくなった」と言うほどに変化していました。
大きな変化を起こすには、いきなり頑張る必要はありません。
小さな成功の積み重ねが、あなたの中の「動ける自分」を育てていきます。
まとめ|心理的ブレーキは悪者ではない
行動できないとき、あなたの中で働いている心理的ブレーキは、決して悪者ではありません。
それは「今のままで安全にいよう」という脳の自然な反応です。
だからこそ、ブレーキを無理やり消そうとするのではなく、扱い方を知ることが大切です。
小さな一歩を踏み出すこと、感情を観察すること、そして誰かに支えてもらうこと。
この3つを意識するだけで、あなたの行動力は確実に変わります。
不安や恐れは、成長のサイン。
心理的ブレーキを「成長の合図」として受け取りながら、少しずつ前に進んでいきましょう。
目標達成を加速させるヒント集





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