セッションの成功体験から学ぶ「話を聴く力」
先日、長年お付き合いのあるクライアントさんとの3時間に及ぶセッションを行いました。このセッションのテーマは、今年の振り返りと来年の方向性を明確にすること。そのクライアントさんは、人と話をするのが好きで、自分からどんどん話を進めていくタイプの方でした。
この時間を通じて、彼は自身の課題や次のステップを整理し、明確な行動計画を持つことができました。その成果を可能にしたのが、「オートクライン」という手法でした。
「オートクライン」とは何か?
「オートクライン」とは、自分の話した言葉を自分の耳で聞くことで新たな気づきや学びを得るプロセスのことです。この手法の最大の魅力は、相手が自らの力で解決策を見つけ出し、納得感を得られる点にあります。その結果、行動へのモチベーションも自然と高まります。
なぜ「聴くこと」が重要なのか?
僕たちは他人と話すことで自分の考えを整理しやすくなります。しかし、アドバイスを急ぎすぎると、相手の内面的な気づきを妨げてしまうことがあります。今回のセッションでは、僕は質問を通じて話の流れをサポートしながら、ほとんどの時間を「聴く」ことに費やしました。その結果、クライアント自身が「これだ!」と腑に落ちる解決策を見つけ出したのです。
「オートクライン」の実践方法
この手法は日常のコミュニケーションや部下指導にも応用できます。以下の3つのポイントを意識すると効果的です。
1. 話す割合を意識する
相手が話す割合を7~9割、自分が1~3割に抑えることが重要です。アドバイスをしたくなる場面でも、まずは一度踏みとどまる姿勢が求められます。
2. 質問を使う
相手が自分の考えを深められるような質問を投げかけましょう。例えば:
- 「そのときどう感じましたか?」
- 「理想的な状態はどのようなものですか?」
こうした質問が、相手の新たな気づきを引き出します。
3. 関係性を築く
相手が話をなかなかしない場合、まずは信頼関係を築くことが必要です。「この人には安心して話せる」と感じてもらえる環境を整えることで、対話の質が格段に向上します。
「オートクライン」が生む行動の変化
この手法によって生まれる行動計画は「誰かに言われたもの」ではなく、「自分で見つけたもの」になります。これにより納得感が増し、行動に移しやすくなります。また、実行への心理的ハードルが低いため、モチベーションの維持にもつながります。
日常や仕事での応用例
「オートクライン」は、日常の様々な場面で活用できます。具体例を挙げてみましょう。
1. 部下指導
部下の話をしっかり聴き、気づきを引き出すことで、自発的な成長を促せます。
2. 会議の進行
議論を引き出す質問を活用することで、メンバーが主体的に意見を出せる場を作れます。
3. 自己成長
自分自身にもオートクラインを応用できます。日記を書いたり、独り言を録音して聞き返したりすることで、内省を深められます。
まとめ:「聴く力」が未来を変える
「オートクライン」は、相手を指導する場面だけでなく、日常の人間関係でも活用できる強力な手法です。大切なのは、相手の話を聴く姿勢を持ち、その中から相手自身が答えを見つけられるようサポートすること。ぜひこの手法を取り入れ、驚くほどの効果を実感してください!
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